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マスターだけ…ですよ

~今回も、少し長いです。お楽しみください。~

コマンダールームに戻ると、エイミーが心配そうに和彦の方に走りで寄ってくる。
「マスター、大丈夫ですか?
 頭とか腕とか、痛くないですか?
 もう、あんな無茶するんですもの、ハラハラしましたよ。
 何度も、強制リタイアしていただこうと思いました。」
「あははは、悪い、悪い。
 最初、TM55の癖がわからなくって、2匹も外しちゃったからな。
 で、強制リタイアって何?」
「はい、モニターの方が危なくなったらゲームを強制的に終わらせることが出来るんです。」
エイミーはそう言って、タブレットを指した。

「でも、大丈夫。
 癖もわかったから、もう外さないよ。
 だから、これからも強制リタイアなんて物騒なボタンは押さないでね。」
和彦は、にやりと笑って見せた。
「まあ。」
エイミーは、和彦が生き生きしているのを見逃さなかった。
「で、ボーナスは?
 市街地の木や荷車は壊したが、建物や市民には被害はなかったはずだけど。」
「はい、仲間が増やせるボーナスポイント、しっかり、手に入りましたよ。」
「よっしゃー!」
和彦は、ガッツポーズをした。
子供のようにはしゃぐ和彦を、エイミー、ターニャ、ユッカを嬉しそうに眺めていた。

第8ステージは、洞窟の中だった。
壁に立っているロウソクの灯りのみで、中は薄暗かった。
「ターニャ、ユッカ、はぐれないようについてきて。」
「はい、マスター。」
進み始めたところで、和彦は背中に何かに引っ張られるような違和感を感じた。
「?!」
見るとターニャとユッカが和彦の背中のあたりの服をつかんで歩いていた。
(ま、いいか。)
和彦は、嫌な気どころか、何か嬉しかった。
角を曲がりと、少し広い空間の出ると、そこには、剣を持った骸骨戦士が3体いて、和彦たちの方に襲い掛かって来た。
和彦は、TM55のショットガンバージョンで1体倒し、ターニャがラウンドイーグルでもう1体倒した。
すると、残った1体が3人に背を向けて、反対側の出口に向かって逃走を企てる。
「まてー!」
ユッカが斧を振り回しながら追いかけて出口にから通路に出ようとした時、警告の声が聞えた。
「待って。
 行っちゃだめ!」
和彦は、瞬間的にユッカを後ろから抱きつき抱えあげ、一歩後退する。
ユッカは、和彦に抱き上げられびっくりし、じたばたしたが、すぐに大人しく和彦に身を委ねた。
すると、ユッカの踏みだそうとした床から無数の槍が突き出てきた。
「危ない。
 これが刺さったら、さすがにLPが一気に減るところだな。」
「マスター、ありがとうございます。」
「いえいえ。」
和彦はそう言いながら、両手でユッカの胸を掴んでいた。
(なんて柔らかいんだろう…。)
「マスター、いつまで抱き上げているんですか?
 重くないですか?」
ユッカは胸を掴まれているのも、まるで気にしていないように和彦に尋ねた。
「え?」
(重いのは胸?)
「降りますよ。」
「ああ、ごめん…。」
和彦は手を離すのを惜しかったが、そうもしていられず、ユッカに謝った。
ユッカは体を捻じり、和彦の肩に捕まって、地面に足を下ろし、和彦の耳元に口を近づけた。
「私の胸に触っていいのは、マスターだけですよ。」
「え?」
和彦は心の中を読まれた気がして“ドキッ”とした。

「マスター、大丈夫でしたか?」
エイミーの声がインカムから流れ込んできた。
「説明が遅くなって、申し訳ございません。
 通信がなぜか途切れたようで。
 直ぐに本部に確認させます。
で、マスターの目の前の槍はすぐに地中に戻ります。
 戻ると、5秒くらい出てきません。
 槍の出るところは1Mくらいですので、槍が引っ込んだら、直ぐに渡ってください。
 また、槍のトラップは出るところの穴が白くなっているので、今後、地面にも気を付けて。」
「わかった。
ところで“危ない”と言ってくれたのは君か?」
「え?
 何のことでしょうか?
 先程申し上げましたように、少しの間、回線が途切れていたのか…。
 それで、トラップの説明が遅くなったのですが。
 あと、トラップは地面からだけじゃないので、慎重に進んでくださいね。」
「わかった、ありがとう。」
和彦は、ターニャとユッカを促しすようにして、歩みを進めた。
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電脳子猫@委員会

Author:電脳子猫@委員会
エロ、グロ、怖いのは苦手。
時代劇や明るくちょっとエッチなSF好きのコンピュータエンジニアです。
どこかで読んだこと、見たことがある?
そんなことも随所に出て来るかと思いますが、それもお楽しみとして。
あくまでもオリジナル小説を目指します。

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