直撃

和彦たちが市街地の中を進むと、すぐにゴーグルに敵の反応が出現する。
「敵は3体。
 水圧銃を持つウォータールーパーか。
 今回は、僕が迎え撃つ。
 二人は、後方の建物の陰に身を隠して。
 ターニャは、そこから援護して。
 ユッカは、待機。」
はい、マスター!
二人は真剣な顔で返事をすると、和彦に言われた通り後ろの建物の陰に身を隠し、ターニャは、狙撃の姿勢を取った。
和彦は、半分壊れた荷車を盾にして敵を待ち伏せた。
TM55の十分な射撃範囲にウォータールーパー3体が入ってきたのを確認し、和彦は、立て続けに3発散弾を撃った。
1発は、敵に当たったが、2発が反れ、逆にウォータールーパーの水圧銃の反撃にあう。
水圧銃は、荷車にあたり、荷車の破片が容赦なく和彦に襲い掛かる。
「くっ。」
防護服やポリマーのおかげで、擦過傷は免れたが、木片が和彦の肩や脚を直撃し、打撲の痛みが和彦を襲う。
それと同時に、盾にしていた荷車がどんどん削れていき、和彦の隠れる場所がなくなるのも時間の問題だった。
ターニャも建物の陰から援護射撃を開始したが、ターニャのラウンドイーグルでは、射程距離が短く、有効なダメージを与えられないのと、障害物が死角を作り、正確な射撃ができなかった。
マスター!
ユッカが甲高い声を上げ、水圧銃の降り注ぐ中、和彦の方に駆け寄ってくる。
「ばか、危ない!」
和彦はすぐ近くに来たユッカの手をつかみ、自分の方に引き倒し、ユッカの身体に覆いかぶさった。
「ユッカ、大丈夫か?」
「マスター、なんで私を庇うのですか?」
ユッカはうつ伏せの状態で首を横に捻じり、横目で和彦を見ながら不思議そうな声をあげた。
「当たり前だろ。
 それより、撃たれたところはないか?」
「はい、大丈夫です。」
(本当に、この人、優しいなぁ。)
ユッカはうれしそうな声を上げた。
「ユッカ、その斧は丈夫だったよな。」
「はい、水圧銃でも平気です。」
「じゃあ、それを盾にさせてくれ。」
「はい。」
ユッカの斧は、大人三人位が身を隠せる、もっともしゃがみ込んで密着してだが、大きさだった。
その斧を盾のようにたて、ユッカは斧に当たる水圧銃の衝撃に耐える。
マスター!
今度は、ターニャが悲鳴のような声を上げ、真っ直ぐ和彦とユッカの方に走り寄ってくる。
「馬鹿、なんで!」
和彦はそう怒鳴ると、ユッカに馬乗りになりながら、ターニャを援護する様に水圧銃を撃ってくるウォータールーパーに向かってTM55を連射する。
和彦の腕を水圧銃がかすめ、痛みを覚える。
「ちぃー、まだまだ!」
その隙に、ターニャがユッカの横に滑り込んでくる。
「ターニャ、怪我はないか?」
ターニャに尋ねた瞬間、ヘルメットに水圧銃の弾丸が直撃する。
「がっ!」
ものすごい音と衝撃で和彦の頭が上半身と一緒に後ろに跳ね飛ばされそうになる。
マスター!!」
ターニャとユッカは和彦の頭部に水圧銃の弾丸が直撃したのを見て、悲鳴を上げながらも、ターニャは後ろに跳ね飛ばされそうになった和彦の腕を掴んで、自分の方に引き寄せた。
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電脳子猫@委員会

Author:電脳子猫@委員会
エロ、グロ、怖いのは苦手。
時代劇や明るくちょっとエッチなSF好きのコンピュータエンジニアです。
どこかで読んだこと、見たことがある?
そんなことも随所に出て来るかと思いますが、それもお楽しみとして。
あくまでもオリジナル小説を目指します。

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