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チークタイム?

「マスター!!」
エイミーの怒気をはらんだ声で気が付くと、和彦はターニャを抱きしめ、チークダンスのようにターニャの頬と自分の頬をくっつけていた。
ターニャの頬は柔らかく、ターニャの匂いを直接嗅いで、和彦は興奮で下腹部が熱くなるのを感じ、あわててターニャを引きはがした。
そして、押された方を振り返ると、そこにはユッカがニコニコしながら立っていた。

「マスターたち、何をやっているんですか?」
エイミーが怒りを押し殺したような低い声で言った。
「あっ、いや、なんだろうね。
 さ、時間も遅いし、ゲームの開始、開始っと。」
和彦は、ひたすら薄ら惚けようとゲームに関心を持って行こうとしたが、エイミーはそれを許さなかった。

「マスター、いくらAIでも、むやみに触れたり、変なことしたら新密度が下がりますよ。
それに、アダルトゲームじゃないので、変なことを考えていたら、モニターを終了させていただきます。」
「え?
 今のは、僕からじゃないよ。
 後ろから…。
そうだ、ユッカが押したんだよ。」
和彦は、しどろもどろに言い訳をしながら、ユッカの方を見た。
ユッカは、知らん顔でそっぽを向いていた。
「ターニャは、知っているよね?」
そういってターニャの方を振り向くと、ターニャは自分の身体を守るように腕を前で組み、和彦を無表情で眺めていた。
「ちょ、ちょっと…。」
「マスター。」
「はっ、はい、ごめんなさい。」

和彦の動揺した態度を見ながら、エイミーはため息をついた。
「まったく、もう。
 男の人って、みんなこうなのかしら…。
マスター、注意しておきますけど、ターニャやユッカはAIで本当の女性ではないんですからね。」
「え?
 どこから見ても、女の子なんだけど…。」
「だから、違います。
 青少年育成プログラムで女性の機能は再現されて…(はっ!)」
エイミーは、真っ赤になって言葉を濁した。
ターニャ達AIは、道徳上の観点から、体形は女性に似せていたが、肝心の女性の部分は再現されていないとエイミーは聞いていた。
モニターの中には、それが不満で苦情を言う人間もいたが、従来のゲームの趣旨を反するということで、主催者側は、はねつけていた。

「なので、言うこと聞くからって、変な気を起こさないでくださいね。」 
エイミーは、何かをブツブツ言いいながら例の世界地図を出し、前回行った島を指さした。
和彦は、目線の片隅で、ターニャとユッカがあっかんベーというように舌を出し笑っているのが見えた。
(なんだ、からかわれたのか?)
そう思うと、眼に前の風景が、瞬く間に前回の島のコマンダールームの中に変わった。
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プロフィール

電脳子猫@委員会

Author:電脳子猫@委員会
エロ、グロ、怖いのは苦手。
時代劇や明るくちょっとエッチなSF好きのコンピュータエンジニアです。
どこかで読んだこと、見たことがある?
そんなことも随所に出て来るかと思いますが、それもお楽しみとして。
あくまでもオリジナル小説を目指します。

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