違和感

「シンクロナイズドスイミング?」
「いいえ、違います!」
(また、マスターはしょうもないところでボケかまして…)
エイミーは苦笑いをした。
「シンクロナイズ。
 シンクロといって、新たに仲間に加わると、先に参加しているものから、知識の共有を受けることが出来き、短時間で親密度が上がりやすくなり戦力になることが出来るスキルです。
 また、同じロット、いえ、同じチームが作成したAIだと尚更、共有は強くなります。
 ただ、何をやり取りするかは、AIが判断するので、こちらとしてはわかりませんので、必ずしもいいことばかりとも言えません。」
「え?」
「例えば、マスターがエッチなことばかり考えていると、親密度が上がらなくなり、冷たい目で見られます。」
「えー、そうなの?」
エイミーは悪戯っぽく笑った。
「でも、そういう情報もあるかも知れませんが、これは私たちにもわからないのです。」
「わからないの?」
「はい、このシステムのエンジニア次第、遊び心というのでしょうか。」
「その気持ちわかる気がする。
 なんか、お楽しみってとこかな。 」
「そうですね。」
和彦は、意味深な笑顔を向けているユッカに気が付いた。
「?」
「マスター、ポリマーをありがとうございました。」
そう言ってユッカは和彦の傍に来て、ポリマーの容器を返した。
「!」
ユッカからターニャとまた違ったいい香りと、ふくよかな胸のシルエットを見て和彦は思わず胸をときめかせた。
コホン!
間髪入れずにエイミーの咳払いが聞え、和彦は恥ずかしさで顔がほてるのを感じた。
「こんなに若い女の子の良い匂いを嗅いだのは、何年振りだろう…。」
コホン!
今度はターニャが、まるで『私は?』と言わんばかりに咳ばらいをした。
和彦は、知らず知らずに声に出して言っていたのだった。
「あ、ごめんごめん。
 エイミーもターニャもね!!」
まったく、もう!
エイミーとターニャが和彦を睨みつけていた。

「そうそう、ゲームだ。
 じゃあ、ターニャとユッカ、第4ステージにGO!」
和彦は、ごまかすように大きな声で言った。
はい、マスター!!
ターニャとユッカは、声を揃え元気よく返事をし、第4ステージの扉をあけ、中に入っていった。
その二人を見送りながら、和彦はエイミーの方を向いた。

「この前から、何か違和感があって考えていたんだけど……。」
「?」
「あのさ、普通、ゲームってコントローラを使うとか、自分で操作してやるじゃない。」
「はい。」
「このゲームって、コマンダールームから指示を出すだけで、自分自身で操作していないんだよね。
 何か、ゲームの中でゲームをやっている感じがして、変な感じがしてさ。」
「でも、マスター。
 モニターを操作したり、あの子たちに指示を出しているじゃないですか?」
「そうなんだけど、自分でもゲームに加わるとかさ。」
「戦闘にも加わるですか……。
 確かに可能ですが、最初に説明しましたように、このゲームでは触覚などの五感を楽しめます。
 つまり、痛覚も感じることになります。
 戦闘の中で、走ると息が切れますし、物が当たったり、転んだりすれば、それなりの痛みを感じます。
 当然、敵の攻撃を浴びると、例えば、電撃であれば痺れたり、撃たれれば火のついたような痛みを感じます。
 他のゲーマーの方でも、参加型を希望され、あまりの痛みにすぐにやめたという事例も聞いています。」
「そうなんだ…。」
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電脳子猫@委員会

Author:電脳子猫@委員会
エロ、グロ、怖いのは苦手。
時代劇や明るくちょっとエッチなSF好きのコンピュータエンジニアです。
どこかで読んだこと、見たことがある?
そんなことも随所に出て来るかと思いますが、それもお楽しみとして。
あくまでもオリジナル小説を目指します。

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