シンクロナイズ

「これで、欠片が3つ目。」
和彦がつぶやくと、第3ステージの扉が開き、ターニャに続きユッカも入ってきた。
「マスター、あらためまして、ユッカでーす。
 これから、よろしくお願いします。」
そう言うと、ぺこりと和彦の方に向かって可愛らしくお辞儀をした。
コマンダールームにユッカとともに新たないい香りが吹き込んできた。
その香りは、エイミー、ターニャの香りと融合し、コマンダールームは華やかな香りとなり、和彦はその香りを胸いっぱいに吸い込むと嬉しそうに目を細めた。

「そう言えば、エイミー。
 仲間は、最初は親密度ゼロじゃなかったの?
 いやにユッカは明るいけど。」
「そうですね、確かに……。」
エイミーは、そう呟くとタブレットを操作する。
「まあ、ユッカは明るい性格に設定されていますから……。」
エイミーは、そう言いつつ眉を寄せる。
「親密度が上がってる……。」
不思議そうにタブレットを見ているエイミーから目を離し、和彦はターニャとユッカの方を見た。
ターニャとユッカは、お互い見つめ合って何かを話しているように口は動いていたが、和彦のところまで声は聞こえなかった。
「さて、じゃあ、ユッカも仲間になったし、第4ステージを制覇するか。」
和彦は、わざと大き目な声で話しかけた。
「はい、マスター。」
和彦の声に、ターニャとユッカは話を止めて、和彦の方を向いて返事をする。

「じゃあ、ユッカも防御ポリマーを塗って……。」
と言ったはいいが、和彦は改めてユッカを見ると、半袖にフリルのついたブラウスに肘までの手袋、また、下は膝くらいまでの丈のスカート、その下にレギンスを履いていて、素肌の露出部分は少なかった。
「ユッカは、先ほどの戦い方のように、持っている斧で打撃系のダメージを相手に与えるのが主です。
 当然、いろいろな物を粉砕しますので、飛び散ってきたものでダメージを受けないように、防護はしっかりしています。」
エイミーが説明する。
「そうなんだ、じゃあ、肌が出ているところに塗ってね。」
和彦は、そう言うとユッカにポリマーの容器を渡した。
「ありがとうございます。マスター。」
ユッカは、にっこり微笑みながらポリマーの容器を受取り、素肌が出ている二の腕、首や顔、また、髪の毛にも薄く伸ばして塗りはじめる。
「ユッカは、塗ることが出来るんだ。」
和彦は、先ほどのターニャが『塗る』という動作が理解できなかったことを引き合いに出した。
「はい。
 先程、ターニャから知識を分けてもらいました。」
「へ?
 ターニャはわからないと言っているのに?」
「うふふふ。」
和彦は、なぜターニャが“塗る”という行為を教えられたのか、その矛盾に頭をひねっていた。
その和彦を見てユッカは意味深な笑顔を見せた。

「シンクロナイズ!?
 道理で、ユッカの新密度も上がった訳だわ。」
エイミーが思い出したように呟いた。
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電脳子猫@委員会

Author:電脳子猫@委員会
エロ、グロ、怖いのは苦手。
時代劇や明るくちょっとエッチなSF好きのコンピュータエンジニアです。
どこかで読んだこと、見たことがある?
そんなことも随所に出て来るかと思いますが、それもお楽しみとして。
あくまでもオリジナル小説を目指します。

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