FC2ブログ

ソルティドッグ

ウェイターは注文を受けると和彦にお辞儀をしてカウンターの方に戻っていった。
一息ついた和彦は改めて周りを見わたすと、2つほど離れた丸テーブルに濃紺のスーツを着て、店の中なのに帽子を被ったままの目つきが鋭い5人の男が座っているテーブルが見えた。
「マスター、あの人たちが使いの人たちなのでしょうか。」
エイミーが不安そうな声を上げる。
エイミーもその5人組の男たちから何か嫌な雰囲気を感じていたようだった。
「いや、違うだろう。
 そうなら、入ってきた時に、すぐに何らかのアクションが僕たちにあってもよさそうだ。」
「そうですよね。」
エイミーは和彦が否定したので、少しほっとした様だった。
すると、出入り口の方から人のざわめきが聞えて来た。

和彦たちが出入り口の方を見ると、3人の男女が入ってきたところだった。
先頭は、真黒なハーフロングの髪に黒い目、赤色のアイシャドウにきっちり化粧をした美女が、やはり真黒なマントの様なコートを着て、真っ直ぐに和彦の方に向かって歩いて来た。
そして、その後ろにはグレーのスーツと同系色の帽子をお洒落に被った若いボディガードのような男が続いていた。
「マリシアの使いの人って、あの人みたいですね。」
エイミーは、先頭の女性からにじみ出るオーラに少し気後れしたのか、小さな声で和彦に話しかけた。
「ああ、たぶんそうだろう。」

そう言いながら和彦は近くのテーブルに座っている目つきの鋭い男たちを見ると、男たちはいつの間に手にしたのか、全員マシンガンを持って立ち上がるところだった。
「エイミー!!」
和彦は鋭い声を発すると、エイミーの腕を掴み、自分の方に力いっぱい引っ張る。
掴んだエイミーの腕は華奢で柔らかかったが、それを楽しんだのはほんの一瞬だった。
きゃっ!!
エイミーは何が何だかわからなかったが、座ったままバランスを崩し、和彦の腰に抱きつくように倒れ込んみ、そのエイミーの上に和彦は覆いかぶさるように庇うと、さらに「ターニャ、ユッカ、イリス、伏せろ。」とターニャたちに叫んだ。

その刹那、『ナディア、死ね!!』と叫びながら男たちは椅子を蹴散らすように立ち上がると、和彦の方に向かって歩いてきている黒いマントの女性にマシンガンの銃口を向け、一斉に引金を絞った
ガガガガ、ガガガガ!!
マシンガンから銃弾が発射される音が響き渡った。
「きゃ、な、なに!」
エイミーは和彦に守られながら小さくなってしゃがみ込み両手で耳をふさいでいた。
そして大きな銃撃音に対する恐怖から身体が子猫のように震え、緊張で体温が上昇したのか、いつもより強くエイミーの香りが立ち昇り、和彦の下半身を刺激していたが、エイミーはそれどころではなかった。
マシンガンの銃弾が弾ける音、近くのテーブルのガラスのコップや、皿が割れる音、巻き込まれた客の悲鳴と怒号が聞こえる中、何分も銃撃が続いたように思われた。
実際は1分程度だったが、エイミーにはそれ以上長く感じていた。

和彦は銃撃の中、まるで和彦とエイミーの盾になるように、ターニャたちが取り囲んでいるのが見えた。
「バカ、お前たちも伏せろ!!」
和彦はそう叫ぶのがやっとだった。
そしてターニャたちの隙間から、黒いマントの女性の方を見ると、ボディガードと思われる男二人が女性の前に立ち、一身にマシンガンの銃撃を受けていた。
銃撃が止むとボディガードの男たちはゆっくりと崩れ落ちる。
その後ろで、炎のような目をした女性がマントを広げると、その両手にナイフが生き物のように生えていた。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

電脳子猫@委員会

Author:電脳子猫@委員会
エロ、グロ、怖いのは苦手。
時代劇や明るくちょっとエッチなSF好きのコンピュータエンジニアです。
どこかで読んだこと、見たことがある?
そんなことも随所に出て来るかと思いますが、それもお楽しみとして。
あくまでもオリジナル小説を目指します。

電猫カレンダー
05 | 2019/06 | 07
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
よろしくお願いします

FC2Blog Ranking

委員会に訪問された方
電猫お絵描帳
検索フォーム
リンク