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新たな仲間?!

第2ステージは、山岳地帯で、犬型のモンスターのチワワンが相手だったが、ターニャの射撃の正確さと和彦の戦術がマッチし、あっさりとステージをクリアーした。
第3ステージは、古い城の中で、骸骨型のモンスターの骸骨戦士が相手だった。
骸骨戦士は、物陰に隠れ、近づいてきたターニャに、武器の斧で切りかかった。
切り傷はポリマーのおかげで軽く済んだが、重い斧で叩かれたダメージは、ターニャには結構きつかった。
また、接近戦で、周りに障害物も多く、なかなか照準を合わせることが出来ず、ターニャは苦戦を強いられていた。
第1派の骸骨戦士を撃破したところで、ターニャはダメージを受け、肩で息をし、腕や脚が斧に当たった後で赤くなっていた。
和彦は、戦術を考えていたが、すぐに第2派が現れる。
幸いラウンドイーグルの残数は、満タンに近い状況だった。
「ターニャ、弾幕をはって。
 そう、天井のシャンデリアみたいのを狙って。」
「はい、マスター」
ターニャは答えるとすぐに天井に向け連射した。
ラウンドイーグルの消費が3分の1くらいになったところで、和彦はターニャを止める。
「撃ち方やめ!」
天井からシャンデリアらしきものが数多く落下し、周りは粉塵が舞い上がってる。
その粉塵が少し晴れてきたところで、3体の骸骨戦士の内、2体が瓦礫に埋もれ、消滅していった。
残る1体は身を隠すところが無くなったので、ターニャの銃撃で退ける。
「しかし、このやり方じゃ、武器の消費が心配だな。」
和彦は、どうしたものか考えていた。

「マスター、崩れた壁に扉が。
 何か光っています。」
ターニャの声がインカムから流れる。
その声でモニターを見つめると、天井から落ちたシャンデリアのためか、一部壁が崩れ、扉が見えた。
扉には、何かの紋章らしき模様が描かれていて、その紋章が光っていた。
「あの扉は『夏への扉』です。」
エイミーが和彦の隣に来て、説明する。
「え?
 あの有名な?」
「冗談です。」
 エイミーは“しれっ”と否定する。

「あ、そうなの…。
 で?」
「名前は、募集中ですので、取りあえず『友達の扉』ということで。
 あ、中は友達ではなく仲間ですが。」
「仲間?」
「はい、マスターの2番目の仲間ですね。
 戦闘中でもそうですが、何かのはずみでああいった扉が現れます。
 中には、マスターの仲間になるものがいますが、どんな仲間かは、開けてからのお楽しみとなります。」
「もし、出てきたのが気に入らなかったら?」
「はい、それでも、仲間に入れていただきます。
 まあ、気に入らなければ使わなければいいだけです。」
「ほんとに、それだけ?」
「マスターのレベルに合わせ、パーティに参加できる人数が決まっていきます。
 今のマスターのレベルですと、2人までですので、ターニャの他にもう1体となります。
 今後,仲間を増やしても、マスターのレベルを上げないと、パーティに連れてはいけません。」
「そうなんだ。」
「はい。
 あと、どうしても仲間にしたくない場合は、宝珠に変えることが出来ます。
 その宝珠を貯めると、スキルアップやいろいろといいことがあります。」
「いいこと?」
「はい、それは、宝珠を手にしてから、ご説明しますね。
 仲間は、人型や獣型、ロボット型などがいます。
 職業も、ターニャのようなアーチャー以外のも用意していますので、その都度、ご説明します。」
「わかった。
 でも、人型って女もいれば男もいるんだろ?
 歳も、子供から年寄りまで?」
「はい。」
「やっぱり、ゲームだな。」
「はい。」
和彦は思わず当たり前のことを口走ったが、エイミーは構わず返事をした。
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続けてイッて平気です

「そうなんだ、この欠片が神様の一部なんだ。」
ふーんと感心しながら、和彦は欠片を眺めていたが、ふいに何かを思い出した。
「そう言えば、2回ほど女の人がヒントをくれたよね。
 ただ、声が女性で、姿は影みたいで良く判らなかったけど。
 ターニャ、近くでどうだった?」
「はい、私にも影のようにしか見えなかったです。」
「現れたのは、たぶんお助けキャラです。
 その内、実態がハッキリしてくると思いますよ。」
エイミーが説明する。
「お助けキャラ?
 TIPSみたいなもの?」
「TIPS(裏技)?
 ちょっと違いますね。
 仲間…、そう、その内仲間になるかと思います。」
「ふーん。
 で、ターニャ、怪我とかはない?」
「はい、全く平気です。」
ターニャは和彦に笑顔を見せた。
「マスターのポリマーが効いたのでしょう。
 ほとんどダメージがありません。」
エイミーもタブレットを見ながら解析する。
(でも、ダメージが、消耗が少なすぎる気がする…)

「じゃあ、続けて、第2ステージも大丈夫かな?」
「はい!」
ターニャは嬉しそうに返事をして第2ステージの扉の傍に立った。
「じゃあ、第2ステージに行こう。」
「はい。」
ターニャは、扉を開けて中に入っていった。

「マスター、すごいですね。
 ターニャの新密度が、50%を超えていますよ。」
エイミーは、タブレットを操作しながら感心していた。
「さすが、ハグしただけあって…
 あー、ハグ!!
「まあまあ。」
和彦は、苦笑いしながら手で落ち着くようにと合図した。
(昔は、ユーザー先の女の子と、すぐに仲良くなったなぁ。
 みんな、歳も一回りくらい違っていたけど、楽しかったな。)
和彦は、30代のことを思いだしていた。
「…スター?
マスター?」
インカム越しに、ターニャの声が聞こえる。
「あ、そうだ。」
「そうだじゃないですよ、何度も呼んだんですよ。
 指示をお願いします。」
「ああ、ごめんごめん。
 じゃあ、エイミーさん。
 ゲームに集中するから。」
そう言うとエイミーは「ぶぅ」と少しふくれて見せた
そんな可愛い仕草をして見せるエイミーを横目で見ながら、和彦は、頭の中を切り替えゲームに集中する。

AIにハグしちゃった男

すると、また、どこからか先程ヒントをくれた女性が現れた。
「ベビードラゴンのすぐ横の櫓(やぐら)、ゲリラ豪雨。」
そう一言いうと、また、姿が見えなくなる。
「櫓?ゲリラ豪雨?」
 (なんちゅーヒント何だろう…)
そんなことを考えながら和彦は櫓の上を見た。
櫓の上のには大きな桶が乗っていて、その桶から水滴が垂れているのを見た。
「あ、そっかぁ。
 ターニャ、ベビードラゴンの傍に立っている櫓の上の大きな桶を打ち抜けるか?」
ターニャがラウンドイーグルの照準を櫓の上のタライに向けると、破壊力が70%を示していた。
(70%あれば、打ち抜けるだろう)
「はい、マスター。
 大丈夫です。」
「よーし。
 たぶん桶を打ち抜くと中の水がベビードラゴンにかかり、暫く、火の玉は出せないはずだから、その間に銃撃し、やっつける。」
「はい、マスター。」
ターニャは、自信満々に頷く。
「よし、ゴー。」
そういうと、ターニャは立ち上がり、立て続けに3発ほど櫓の上のタライを銃撃する。
和彦の想った通り、その中は水で満たされており、壊れた桶から水が勢いよくベビードラゴンの頭に滝のように降り注ぐ。
ベビードラゴンは、口を開けてターニャに火の玉を吐き出そうとするが、水で火の玉が出なかった。
その隙に、ターニャはラウンドイーグルの照準をベビードラゴンに向ける。
破壊力は100%を指示していた。
ターニャは、今度は、ベビードラゴンに向け5発ほど連射する。
銃弾はすべてベビードラゴンに吸い込まれ、ベビードラゴンは消滅した。

「よっしゃー!」
和彦が歓喜の声を上げると、ターニャは和彦の方に振り返り、万遍の笑みを返した。
「ごくろうさま。
 じゃあ、欠片を拾って、帰って来て。」
「はい、マスター。」
そういうと、ターニャは、ベビードラゴンの居たあたりまで進み、光り輝く欠片を拾い上げた。
「ステージ1クリアーです。
 欠片と、ゴールドが12000程、手に入りました。
 好調ですね。」
エイミーが微笑みながら和彦を称賛するように声をかけた。
ガチャっと音がし、ステージ1と書かれているドアの向こうからターニャが戻ってくる。
「ご苦労様。」
「ただいまです…。
 きゃっ!」
和彦は興奮してターニャをハグした。
腕の中でターニャはもじもじしていたが、温かく、いい香りがした。
マスター!
 規律違反です!!
 ターニャも、なに赤い顔して恥ずかしがっているの?!
 ……
 …
 え、ええー!
 なんで赤い顔して恥ずかしがっているの??
 なんで?
 なんでぇ~?」
エイミーはAIのターニャの反応を理解できずにパニックに陥っていた。
「だって、そういうプログラムは、ないはずなのに…」
ターニャはぶつぶつ言っているエイミーを後目に、微笑みながら手にした欠片を和彦に手渡した。
「これが、そうなのか。
 何か鏡みたいだな。」
渡された欠片は、半身が鏡のようにきれいで、その反対は何か細工が施してあるようにごつごつしていた。
「ね、エイミー?」
和彦はエイミーの目の前に欠片を差し出した。
「は、はい!
もとは神鏡といって神聖なもので、御神体でもあります。」
エイミーはパニックから抜け出せておらず、和彦がターニャにハグしたことは、すでにどうでもいいかのように説明した。

アタック開始

和彦は周辺の地図や地形図をじっと見て考えていた。
場所は西部劇に出てくるような町で、道路は舗装されているのではなく、土埃の舞う荒れ果てたようなところだった。
また、飲料用や農業用に水の確保のために用水路が掘られていて、ターニャのいるところからベビードラゴンいるあたりまで続いていた。
和彦はそれを見て何かを思いついてようにターニャに指示を出した。
「まずは、ペティアーミーから片づけよう。
 右手に用水路みたいなのがあるよな。
 そこに入って、モンスターに見つからないように、数メートル先の岩のところまで移動して。」
「はい、マスター」
「それと、髪はきっちり結わいてな。
 火の粉が当たって焦げるといけないから。」
「はい!!」

ターニャは嬉しそうに返事をすると髪を再度きつく結わきなおし、1メートルくらいの幅と深さで、水の深さは5センチ程の用水路に軽やかに飛び降り、そしてモンスターに見つからないように身をかがめながら、和彦に言われた岩陰まで静かに進んだ。
そして、用水路から上り、岩陰に身を隠す。
「そこから、ペティアーミーは狙えるか?」
和彦は、ラウンドイーグルの対ペティアーミーの破壊力が100%を示しているのを横目で確認した。
「はい、2体とも十分狙えます。」
「わかった。
じゃあ、ロックオンと同時に射撃を開始。」
「はい、マスター。」
ターニャは、岩陰からペティアーミーに対し射撃の姿勢を取り、立て続けに2回引金を引くと、放たれた銃弾は、反れることなく2体のペティアーミーに命中する。
その時、ベビードラゴンがターニャのいる岩陰に向かって火の玉を吐き出しはじめた。

「ターニャ、用水路に隠れて。」
ターニャは言われた通りに、上がってきた用水路に再び飛び込み、身を低くする。
ベビードラゴンの火の玉が、ターニャの隠れていた岩を粉砕に、岩つぶてがターニャに降りかかる。
「くっ。」
砕け散った岩の大きな破片が、ターニャの背中を直撃し、ターニャは息を漏らした。
「ターニャ!
ターニャ、大丈夫か?」
「は…、はい…。」
ターニャは少し苦しそうな声だった。
そして、たーにゃのLPが10ポイントほど減ったのを和彦は見逃さなかった。。
「動ける?」
心配そうな和彦の声に、ターニャは頷く。
服やポリマーがターニャのダメージを軽減していた。
「そのまま、用水路伝いに進むとベビードラゴンを射程に収められる位置まで行けるから。」
「はい。」
ターニャは、降りかかった岩の埃などを気にすることなく、用水路に身を隠しながら進み、射程距離まで近づいていった。
「さてと、そこから一気に射撃だけど、火の玉の反撃は怖いな……。」
和彦は、独り言のように呟いた。

Encounter with BabyDragon

「マ~スタ~、どうしますか?
 真っ直ぐ進みますか?」
インカムを通してターニャの声がエイミーとの会話に割り込んできた。
「ああ、そのまま普通に進んで。」
「はい。」
ターニャは指示通りに歩く速さで進んだ。
「きゃー、怪物よ。」
「怪物が出たー。」
ターニャの前方から、村人が多数、声を上げながら走ってくる。
その後ろには、ペティアーマー2体とペティアーマーの3倍くらいの高さがある、トカゲのようなベビードラゴンが口から火の玉を盛んに吐き出していた。

ペティアーマーは2Mの身長なので、ベビードラゴンはかなり大きかった。
しかし、対戦比較表では、ベビードラゴンの武器は口から吐き出す火の玉だけなので、ターニャが優位だが、火の玉を1発受けただけなら問題ないが、続けて何発も浴びるとターニャのLPはあっという間に減少する。
しかも、ベビードラゴンは盛んに火の玉を吐き出しているので、不用意に近づくことは出来ないやっかいなモンスターだった。
そして、そのベビードラゴンの足元には、光を発している欠片らしきものが見えた。
「あれが、探している欠片か。」
「はい、そのようです。」
ターニャが答える。

「でもさ、敵のボスキャラって欠片を監視しているんじゃないの?
 なんで、村人が逃げて来るの?
 モンスターが破片を持って襲ってきた?」
(こ、この人、理屈っぽい)
エイミーは和彦の理屈に舌を巻いた。
「さあ、きっと、その村人たちが迂闊にもモンスターのいるところに足を踏み入れたんでしょう。」
「なるほど。」
和彦の納得したような声を聞いて、エイミーはほっと胸をなでおろした。

「マスター、如何しましょうか?
 一気に畳みかけますか?
 火の玉1発、2発くらいなら服を焦がすくらいですから大丈夫ですよ。」
「え?」

「マスター…。
 まさか服が燃え落ちて、ターニャが裸になるなんて期待していないですよね。」
エイミーが横目で和彦を見ながら言った。
ば、馬鹿なこと言わないでくれ。
 そんなことしたら、ターニャが火傷するだろう!!
 それに綺麗なブロンドの髪が焦げるだろう!」
「えっ?
 あっ、はい。
 マスター…、すみません…。」
エイミーは冗談で言ったつもりだったが、和彦の剣幕に押され小さくなった。
(この人、ターニャのこと心底、心配している。
本当に優しいわ。)
和彦はエイミーの羨望に似た眼差しに気が付いていないようだった。
「あの火の玉を何発も浴びたら、ターニャのLPも持たないし、ペティアーミーのあの槍も厄介だな。」
「どうします?
 マスター?」
ターニャがなんだか嬉しそうな声を出した。
ターニャは、さっきのエイミーと和彦の会話を聞いていたのだった。
プロフィール

電脳子猫@委員会

Author:電脳子猫@委員会
エロ、グロ、怖いのは苦手。
時代劇や明るくちょっとエッチなSF好きのコンピュータエンジニアです。
どこかで読んだこと、見たことがある?
そんなことも随所に出て来るかと思いますが、それもお楽しみとして。
あくまでもオリジナル小説を目指します。

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