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ロケットパンチ

和彦は、アオハが目を閉じたのを確認してから、変色している下肢の太ももにキスをし始めた。
太ももの外側、内側、膝、脹脛、足首、足の先と片足ずつ持ち上げキスをして行く。
(完璧に“ど”変態のAVのようだよな、これって…。)
アオハが健康的だったらきっとものすごく欲情しただろうなと考えながら和彦は作業を進めていた。

「さて、後は、背中とお尻だけだな。
 アオハ、うつ伏せになれる?」
和彦の声を聞いて、アオハはうつ伏せになろうともがいたがなかなかうまく行かなく、和彦の手助けを受けてようやくとうつ伏せになれた。
そのアオハの背中を見て和彦は息をのんだ。
「こ、これは、ひどい…。」

アオハの背中の羽の生えていたところは、羽が引きちぎられ、四分の一ほど羽の残骸が残っている無残な傷が背中の半分を占めていた。
「アオハ、痛かっただろうに…。
 今も痛い?」
和彦が眉間に皺を寄せながらアオハに尋ねた。
「ううん、大丈夫です。
 痛くないですよ。」
アオハは枕に顔を埋めてくぐもった声で応えた。
和彦は、それが本当なのか、それとも我慢しているだけなのか判断できなかった。

そして、そっと、背中に唇を当てると、唇の当たった付近の傷が治りや皮膚の色が元通りになっていった。
ただ、羽は新しく生えてくることはなく、綺麗な背中になっていた。
「アオハ、羽が…。」
「大丈夫ですよ、マスター。」
和彦の気持ちを察してエテルナが声をかける。
「でも、羽がないと、もう飛べなくなるよ。」
「大丈夫ですって。
 心配しないで。」
「そうか、わかった。」

そう言って和彦は最後に残ったアオハの左のお尻にキスをした。
「あっ」
アオハが小さな声を上げる。

『H-L1-23区画完了』

そして、最後に残った右のお尻にキスをする。
すると、そこに少し力が入って固くなったように感じた。

『H-R1-23区画完了
 全区画全てリストア完了』
エテルナの前でコンピューターが報告する。
それと同時に、モニターに映っているアオハの3Dの画像もすべて白くなり、右上に100%と数字が出ていた。

「ぴゃっ!」
和彦が、アオハのお尻をそっと撫でた時、そう言ってアオハは上半身をのけぞらせるようにして飛び上がった。
「ごめん、ごめん。
 あ、でも、元気になった?」
「はい、マスター。」
そう言ってアオハは一糸も纏わぬ姿で和彦の方を向いて正座をするようにちょこんと座り笑顔を向けた。

「よかった、これで元のアオハだな。」
そう言って和彦は、アオハが裸で、青少年育成プログラムが動いていない状態にあるのに気が付き、眼を逸らせた。
「治ったら服とか来て。」
和彦がそう言うと、エテルナの声がした。
「マスター、まだだめです。
 アオハは、おかげさまで元に戻りましたが、それでは不完全なんです。」
「え?
 どういうこと?」
「まだ、治療が終わっていないってことです。」
「元に戻ったんじゃ?」
「いえ、最後の仕上げです。
 マスター。
 ターニャやユッカにした様な事を、アオハにもお願いします。」
「え?」

和彦はエテルナが何を言っているのかわからなかった。
「あ、ごめんなさい。
 なんでもないです。
 ただ、アオハを可愛がってください」
和彦は、目の前でアオハが顔を赤らめ、両手を合わせもじもじしているのを見て、なんとなくわかった気がした。
「ま、まさか。
 アオハと?」
「はい♪」
「…。」
和彦は心臓にパンチを受けたように鼓動が激しくなった。
それを察したようにエテルナは続ける。
「アオハは、子供っぽいですけど、25歳なので問題ありませんよ。」

エテルナがそう言うと、ターニャ達の声が聞えてきた。
「えー、アオハちゃんて、25?
 14、5かと思った。」
「私よりも、4つも年上だったなんて。」
「私は、5つ。」
「私も、ターニャと一緒。」
「えー、ターニャもイリスも私より1つしか違わないじゃない。」
「もう、皆してそんなことで騒がないの。
 アオハ、その部屋だとマスターその気にならないといけないから、場所を変えて。」
「はーい。
 マスター、ついてきてくださいね。」
アオハは返事をすると治療台の上に立ち上がり、台の端に歩いて行った。

「アオハ?」
和彦は、アオハ自体、自分の羽がないことを忘れていることに気が付いた。
案の定、アオハは何も考えず治療台の端から無雑作に空中に右足を踏みだした。
「きゃっ!」
当然、羽のないアオハはバランスを崩し、そのまま、地面に顔から落ちていった。
「あ、危ない。」
和彦は、アオハの右手を掴んで自分の方に力一杯引き寄せた。
「あっ。」
アオハは声を漏らすと、そのまま、和彦の腕の中に飛び込むような感じで抱きついた。
「うぁ!」
今度は和彦がアオハを抱いたままバランスを崩し、後ろ向きのまま倒れた。

しかし、背中から床に激突する衝撃を感じることがなく、急に眼も前がフラッシュのように眩く光ると、“ボスン”と柔らかな感触が背中を覆った。
「へ?」
和彦は、アオハを抱えたままクッションの上に仰向けで倒れていた。
そして、周りを見渡すと、白を基調とした壁紙に、オレンジ色のカーテン、ぬいぐるみが沢山飾ってある棚、木調のドレッサーや薄く明るいピンク色のレースのカバーが掛ったベッドが見えた。
「えへへへ、ここ、私の部屋。
 ようこそマスター。」
腕の中でアオハがにこやかな顔で和彦を見ていた。
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和彦は嬉しいような楽しいような何とも言えない顔をしていた。
「全身、キスするの?」
「マスターのキスが、一連のプログラムの置き換えの命令になります。
 キスすると、その部分とその近辺が書き換えが行われ、それが済んだところは元のアオハのきれいな肌になります。
 ですので、黒く変色したところを順にキスしてあげてください。」
こともなげに言うエテルナに和彦は、面食らっていた。
そして、アオハを見ると、異臭はしなくなったが、肌がどす黒く、また、表情も辛そうだった。
ただ、唇は朱が指し、そこだけはきれいな気がした。
「わかったけど、皆ガラス越しに見ているの?」
和彦からは窓ガラスが曇って、その外にいるだろうエテルナたちは見えなかった。
「あ、そうですよね。
 失礼しました。
 こちらもブラインドモードにして、マスターを見えないようにしますね。」
「たのむ、そうしてくれ。」
(そうでないと、若い女の子の身体をキスしまくっている“ど”変態になってしまう)
普通であれば、女の子に、しかも体にキスを何て言われると、ドキドキして心臓が持たないのではと思うくらいなのだが、どす黒い肌のアオハでは、そこまでときめくものでもなかった。
「では、マスター。
 こちらでアオハの身体を3Ⅾ映像で表示して、チェックさせていただきますね。
 完全にリストアしないと、後が大変なことになるので。」
「わかった。」

和彦はそう答えると、アオハの顔を覗き込むようにして、まず、鼻の頭にそっとキスをする。
すると、鼻の頭から鼻全体が綺麗な肌色に変わった。

『F-NS区画1から15までリストア完了
 リストアの精度を上げるため、青少年プログラム<ミラージュ>を解除。』
コンピュータがエテルナたちに状況を告げ、アオハの3D映像も鼻の付近が明るく点滅する。

和彦は次にアオハの顎、両方の頬、目頭、おでこ、耳、そして髪の毛の上から頭に順にキスをしていく。

『F-EY区画38から53までリストア完了。
F区画リストア100%
続いて、H-R1から12…』
コンピュータが次々と状況を報告し、モニターのアオハの3D映像も首から上の部分が白く点灯していた。

和彦は次に、アオハに身体全体にかかっている布を剥がした。
アオハの身体はやはりどす黒い色で染まっていて、下腹部は何か鋭い物で刺されたように裂傷が何か所もあった。
「可哀想に、痛かっただろう。」
和彦はアオハの下腹部の傷を見て眉間に皺を寄せた。
そして、また、首筋から肩、胸にかけてキスをしていった。
しかし、胸に来たところで、柔らかなところをいくらキスしても、色が変わらなかった。
「エテルナ、おかしい。
 胸のところが綺麗にならない。」
和彦は、曇りガラス窓の方に向かって言った。
すると、すぐにエテルナが返事をした。
「マスター、ぽっちにキスして。
 左右両方あるでしょ?
 胸はそこだけがスイッチなの。」
「え?
 ええ…。」
すこし躊躇いながら言われた通り右の胸の😁😁にキスをすると右の胸全体が綺麗な色に変わった。

『B-R全区画リストア完了』
コンピュータが状況を知らせる。

和彦は左の胸の😁😁もキスをして、そして鳩尾のあたりからおへその辺りまでくまなくキスをし綺麗にしていった。
それから、下腹部の裂傷を見た。
「マスター、ごめんなさい。
 気持悪いですよね。
 特に、そこはウィルスが侵入したところで、だいぶドロドロになっていて。」
エテルナがすまなそうな声を出す。
「でも、ここもきれいになるんだろ?」
「はい。
 キズも全部消えます。」
「わかった。」
和彦は、まるで人間の傷にキスをするように、痛くないようにとそーっとキスをしていった。
キスをしたところは確かにエテルナが言うように、傷もきれいになくなっていった。
和彦は、傷を治すのに夢中になって下腹部から、アオハの両脚を開き、脚の付け根やその付近も丹念にキスをした。
「あれ?」
突然、和彦は動きを止めて、へんな声を出した。
「どうしました?
 マスター。」
エテルナが和彦の態度に気が付き声をかけた。
「い、いや。
 キズはきれいになっていったんだけど、両脚の真ん中あたりに、新しい傷の様なのが出現して…。」
和彦は、じーっとアオハの両脚を広げ覗き込んでいた。

『生体認証。
 指紋認証完了、虹彩認証完了、顔認証完了、DNA…、これは無理。
 マスターの登録パターン全て認証完了。
 この人物を真のマスターと認証完了…
 よって、ロック解除
 青少年プログラム<鉄の女>解除』
コンピューターが説明する。

「あははん。
 身体の半分くらいが置き換わったから、正常なプログラムも動き出したのね…。」
「エテルナ?」
和彦にはコンピュータの声は聞こえておらず何のことだかわからずにエテルナに聞き直した。
「マスター、アオハちゃんは女の子なんですよ。
 お、ん、な、の、こ。
 わかるでしょ?」
「あっ!」
和彦は全て理解し、顔を上げた。
すると、アオハが目を開け、潤んだような瞳で手の爪を噛むようにして和彦を見ていた。
「ア、 アオハ、気が付いたの?」
和彦が慌てて声をかけると、アオハは真っ赤な顔をして頷いた。
「まだ、全部終わっていないから、目をつぶっていてくれる?」
和彦がそう言うと、アオハは黙って頷き、眼をぎゅっと閉じた。

ライジング・サン

和彦が再び目を開けると、そこはテレビドラマで見た医療器械が沢山あるICUのようだった。
そして、生ものが腐ったような異臭がして、その方向を見ると、顔や肌がどす黒く変色していたが、ベッドに横たわっていたのはアオハだった。
「え?」
和彦は状況を理解できていなかった。

すぐに部屋にあるスピーカーからエテルナの緊張した声が聞えてきた。
「マスター、ごめんなさい。
 アオハが、コンピュータウィルスを注入されて、モンスターに変化しそうなんです。
 ウィルスの浸食率が、90%近くで、後はアオハのコア、心が乗っ取られるとアオハじゃない、違う化け物になってしまうんです。
 そうなると、アオハを駆除しなければならなくなるんです。」
「駆除?」
「はい、削除、抹消しなければなりません。」
「で、僕は、何ができるの?」
「協力してもらえますか?」
「もちろん。」
和彦は真顔で応えた。
「では、アオハの唇にキスをして、マスターの息を吹き込んでもらえませんか?」
「え?
 キスするの?」
「はい。
 お願いします。」

アオハからは、酷い腐敗臭が漂い、特に口からは我慢できないような匂いが漏れていた。
エテルナは、匂いのきついアオハに和彦がキスをできるか考えると、その腐敗臭は大の大人でも近くで嗅ぐと悲鳴を上げるか、気を失うほどの酷い匂いだったので、望みはほとんどないものと覚悟を決めていた。
それでも、祈るように、心の中で和彦に願いをかけていた。
(マスター、お願い。
 アオハを助けて、見捨てないで。
 匂いに負けないで…。)

必死になって祈っていると、すぐに手前のモニターが点滅し、スピーカーからコンピュータの合成音が聞こえてきた。
『抗ウィルスプログラムの支援プログラム確認。
 支援プログラムにより抗ウィルスプログラム活性化。
 ウィルスプログラムの侵入を阻止。』

「え?」
見ると和彦がいつの間にか躊躇せずにアオハの枕元に進み、言われた通り唇にキスをして、そのまま自分の息をアオハに吹き込んでいた。
そして、アオハな胸は和彦の息を吸い込んだのか、少し膨らんでいた。
「マ、マスター!!」
エテルナは、涙が出そうになるほど感激していた。
「どんな人でも躊躇する悪臭なのに、マスターは、アオハのために真っ直ぐ、指示に従ってくれた。」

『攻ウィルスプログラム発動。
 ウィルスの侵入停止を確認。
 ウィルス自体の活動も停止を確認。』
コンピュータの声で、エテルナやターニャ、ユッカ、イリスは小躍りして喜んだ。

「なあ、匂いもしなくなったけど、身体全体がどす黒いままだよ。」
スピーカーから、今度は和彦の声が聞えてきた。
「マスター、ありがとうございます。
 ウィルスは撃退出来ました。
 ただ、身体はプログラムが書き換えられてしまっているので、その個所はすべてリボーグしてバックアップからリストアしなければなりません。」
「そうなんだ。
 じゃあ、早くそうしてあげて。」
和彦は、痛々しいアオハの姿を沈痛な面持ちで見ていた。

「はい。
 では、マスター、引き続き、お願いします。」
エテルナは明るい口調で答えた。
「え?
 引き続きって?」
「はい、アオハの全身、くまなくキスしてあげてください。」
「えー!!」
あまりの話の内容で和彦は声を失った。

シルバー・ストリーク

エテルナたちがいるのは、まさに仮想空間の裏側の世界で、通常、和彦の様なモニターの人間は入って来れないところだった。
「わかっている。
 それに、うまく行くかもわからないの。
 でも、マスターなら、もしかしたらアオハを救えるんじゃないかって。」
そう言い合っている最中に、空間からターニャが抜き出てきた。
「ターニャ、マスターは?」
ユッカがそう言うと、ターニャはガラスの向うのアオハが寝かされているベッドの方を指さした。

和彦は現実世界に戻るゲートをくぐると現実空間に戻るため、いつも何段階かの空間を通って行く。
最初は、薄暗い明かりのついた回廊を、次に眩しい電灯が点滅する回廊を動く歩道に乗って通って行く。
そして、光のシャワーを浴びるような回廊と、明るい水色の光の回廊、最期にトンネルの様な黄色な明かりがついて青い矢印が点滅している方向をぬけると、気が付くと目を覚ますことになっていた。
今回も、眩しい電灯が点滅する回廊の半ばに差し掛かった時、自分を呼ばれている気がして後ろを振り返った。
「マスター!!」
振り返ると和彦を追ってくるターニャの姿が見えた。
すると、動く歩道の上をすべるようにして、ターニャが和彦に飛び突いて来た。

「わっ、ターニャ、どうしたの?」
驚いてバランスを崩さないようにターニャを抱きしめ、和彦は尋ねた。
和彦の腕の中でターニャは人間のように息を切らせていた。
「マスター、すみませんが私と戻ってもらえますか?」
「ああいいけど、どうしたの?」
「緊急事態です。
 アオハの調子が良くなくて。
 マスターの力が必要なんです。」
「わかったけど、どうすればいいの?」
動く歩道はどんどんと次の空間に向かって動いていて、戻ろうにも勢いがあり過ぎて和彦の脚では逆走することは無理だった。

「私がお連れします。
 マスター、私に抱きついてください。」
そういうとターニャは両手を広げた。
「え?
 抱きつく?」
和彦は、行き成りのことで躊躇った。
(抱きつくって、また、ターニャの柔らかい…)
「マスター!
 この前、抱きしめてくれたじゃないですか。
 さ、早く。」
「え?」
和彦は、ターニャの言っている意味が分からなかったが、ターニャの剣幕に押され、「はい」と返事をしてターニャの身体に腕を回した。

「マスター、それじゃ私の顔がマスターの胸でつぶれます。
 逆です。
中腰になって、私の胸に顔を埋めてください。」
「え?
 ええわ、かった」
微妙な返事で和彦はターニャの胸に中腰で抱きついた。
「行きますよ、マスター。
 ちょっと、目をつぶっていてください。」
そう言うとターニャは和彦の頭を両手で包み込むようにして抱きしめた。
和彦はターニャの胸の柔らかい感触が嬉しかった。
「マスター、では、お願いします。」
耳元でターニャが囁くと、腕の中からターニャの感触がなくなっていた。

ライジングサン

ICUではガラス越しにイリスがベッドに横たわっているアオハを心配そうに見ていた。
そこに、エテルナとユッカが空間から抜け出すように現れた。
「イリス、アオハは?」
「それが、浸食率が80%を超えてきたの。」
「え、それじゃ、もうアオハのコアまでウィルスが迫っているの?」
「ええ、今、アオハのコアが必死になって防戦しているけど、時間の問題かと。」
イリスが悲しそうな顔をして言った。

「ねえ、どういうこと?」
ユッカが状況を掴めないというように割りこんできた。
「ユッカ。
 アオハはあの化け物に強力なウィルスソフトを注入されたの。」
「でも、アオハにも対ウィルスソフトが入っているじゃない。」
「でも、あなたたちのような強力な対ウィルスソフトじゃないの。
それでも、ちゃんとしたやつなんだけど、それじゃ防ぎきれない強力なやつなの。
 それで、どんどんとアオハを侵食していって。」
「浸食…、じゃあ?」
「アオハのコアまで浸食されたら、アオハはアオハでなくなり、別のプログラムになってしまうわ。」
「別の?」
「そう、ウィルスを仕込んだ奴らの思いのままのモンスターに変わるかしら…。」
「そんな…。」

そう言って声を失ったユッカを後目にエテルナは話を続ける。
「そうなると…。」
「そうなると?」
「感染を避けるために、アオハをパージ(消去)しなくちゃならないわ。」
「パージ?
 ねえ、だめよ、そんなの。
 アオハが可哀想よ。」
ユッカが必死の顔でエテルナに詰め寄った。
「それしかないの…。」
エテルナは苦しそうに首を横に振った。

エテルナは自分に対しても納得させるようにユッカに話しかける。
「でも、そういう規則なの。
 危険がマスターや他のモニターに及ぶ恐れがあるときは、消去するのが規則なの。
 わかるでしょ。」
「う、うん。」
ユッカは消え入るような声で応えた。
「エテルナ、打つ手はないの?」
イリスが辛そうな顔をしているエテルナに話しかけた。

「そうよ、エテルナちゃん。
 なにか策があるから、ターニャにマスターを捕まえてここに連れてきてっていったんじゃない?」
「え?
 マスターを?
 それって、規則違反よ。」
イリスが驚いた顔をした。
イリスが指摘したのは仮想空間の規則の一つで、モニターの人間に仮想空間の裏側を見せてはいけないという一条があった。
プロフィール

電脳子猫@委員会

Author:電脳子猫@委員会
エロ、グロ、怖いのは苦手。
時代劇や明るくちょっとエッチなSF好きのコンピュータエンジニアです。
どこかで読んだこと、見たことがある?
そんなことも随所に出て来るかと思いますが、それもお楽しみとして。
あくまでもオリジナル小説を目指します。

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